調律師からのご提案
ピアノを置くのによい場所とはどういうところなのかいくつかお話いたしますピアノを末永く弾いていただくためにも参考にしていただければ幸いです
直射日光が当たらないようにしましょう
日当たりが良いとピアノにも良いと考える方も多いと思います(私も新入社員のころはそうでした)
しかし日に当たることで昼と夜の温度差が非常に大きくなってしまいます。温度の変化は特に弦や鉄骨などの金属部品が影響を受けてしまい音や部品の変化につながります日差しが入らないお部屋もしくは厚手の遮光カーテンなどを使い温度の変化を少なくしてください。
エアコンの風が当たらないようにしましょう
エアコンの風は非常に乾燥していますピアノに直接風が当たってしまうとピアノの木部が乾燥しすぎの状態になってしまします。乾燥しすぎの状態では木が痩せてしまうためにネジのゆるみや音が合わせにくくなるといったことが起こります。また暖房の風の場合暖かい風が冷えたピアノに当たることで結露を起こしさびなどの原因になることも考えられます今エアコンの下や風が直接当たる場所にピアノがある場合は風向きを変えていただくなど配慮をお願いいたします
床暖房のお宅はすぐにチェックを
近年床暖房を導入されるご家庭も増えてきました、しかしピアノにとって床暖房はキャスターを通じて直接熱を伝えることとなり過乾燥の原因となりエアコン以上にピアノに影響を与えてしまいます。移動させるのが一番良いのですが断熱ボードというピアノの下に敷く断熱材入りの板がございますので必ずご使用ください。
ピアノの後ろは家の内側に向け壁から15㎝くらい離しましょう
アップライトピアノは後ろ側に響板があり後ろ側に大きな音が出ます、ですから後ろ側を家の外に向けると大きな音が外に漏れやすくなります。可能であればピアノの背中側を家の中心に向かって設置するとよいでしょう。また壁に近すぎると音がこもってしまいます少なくとも10㎝以上は離してください。
ピアノの周りには十分なスペースを持たせてください
調律師からのお願いになりますがピアノの周辺には十分なスペースをもって設置をお願いします。調律の際にピアノの高音側がまたグランドピアノの調整の際にはアクションを引き出すために後ろ側にスペースが必要です。ときおりピアノ用スペースとして「コ」の字型に空間を設けて設置されている場合を見ますが音の響きや空気の流れが滞ることなどからこのような設置は避けていただければと考えます。